私が病院努めをして大変な思いをしている頃でしょうか、父親が脳血栓から脳梗塞で半身麻痺特に利き腕の右側に後遺症を残し目も不自由なことから寝たきりになってしまっていたんです。母親に介護は難しくリハビリ施設での生活でした。
毎月施設ベット代や食事代など20数万円を払い母親は今までかけてきた生命保険を解約し僅ながらの貯金も使い果たしていたのです。このままではと妻が言い出してくれたんです。家を建てて一緒に住めればねと。
二人である建設会社に話を聞きに行ったんです。まだ働き出して勤務年数が少ないので、参考の為にと思いながら。
ついてくれた営業マンに恵まれたんでしょうね、熱心に話をしてくれました。なんか買えるんじゃないのかなみたいな錯覚を持つほどでしたね。
その数日後妻から大ニュースがありました。今度は笑って子供が出来たというんです。 ガッツポーズですよ。本当に嬉しかった、産むよと言っているような顔つきで私は妻を強く抱き締めました。本当に温かかったこと、嬉しさに少し小刻みに震えていました。
喜びの中電話が入ったんです。先日の建設会社の営業マンからでした。〔銀行融資を調べていたんですが、なんとか通りそうなんです。〕何を言っているのかピンとこなかったんですよ、家が買える訳がないだろうと思っていたので、記憶からすっかりなくなっていました。確かに試しに調べてくれますかと言った覚えが蘇りました。理解に時間がかかりましたが後日一度起こしになりませんかというので〔はい〕と即決でした。
話が進み、家を買えることにはなったんですが父親を自宅介護をして両親と同居をするのか弟はどうするかで悩み、妻に相談をした時〔いいよ、同居でも、プライバシーは守れる家にしてね〕と優しく言ってくれたんです。ありがたかった、私には妻が必要なんだと。そして皆が一緒に住むことになり二世帯住宅を建てることになりました。