「綺麗だな・・・」
寝転がり、蒼空を仰ぐ
ここまで来ると、
全てを壊したくなる
静かな学校
友だち関係
梓、自体も・・・
「・・・ははっ、狂ってきてる。
そろそろ、この力も発揮する頃か」
死にたい
こんな思いをするなら、
死ぬ方がましな気がする・・・
そっと、
フェンスを上る
・・・マジ怖い
高所恐怖症の私からすると、
神経の半分は、今死んだ
・・・降りよう
これでは、死ねない
「・・・寝てよ」
辛いのに、
死ぬことも出来なくて・・・
吐いた言葉は、
本当に思ってたことと違う
こんなにうまくいかないことなんて
今までになかったから・・・
ただ、
我慢することしか出来なかった
☆玲奈side
「美弥、もう先生に言おう」
「大丈夫。まだ、頑張れる」
美弥へのイジメは
1年の秋から
2年の冬まで続いた
1年間、美弥は先生に言わなかった
誰かが言おうとすると、
全力で止めた
『まだ、整ってない』
そう言って・・・我慢してた
だけど、
もう・・・酷過ぎる
服で見えない所に
あざが出来ているのを、
今日の体育の時間に気付いた
美弥がいじめられているのを知って
もう、耐えられない
「このままじゃ、
もっとエスカレートするよ!
私、先生に言ってくるから」
放課後、2人きりになった時に
そう言った
だけど・・・
「玲奈、私にかかわらないで」
「・・・っ、だけど・・・!」
「大丈夫。耐えられなくなったら、
堂々と暴れるつもりだから、ね?」
にっこりと、
イジメなんかされてないように微笑む
その目は、かすかに赤かった
「・・・美弥、目、赤いけど
それ大丈夫なの?
病院行った方がいいよ」
「・・・あ、うん。
明日でも行こうかな」
「・・・何かあったら
絶対に言って。約束して」
「わかってるって!
玲奈、また明日ね~」
「うん。また明日」
『また明日』
明日は・・・
最悪の日となることを
誰も予想していなかった
☆美弥side
「ただいま~」
バスケに行かずに早く帰ると、
母さんが玄関で待っていた
「・・・どうしたの?」
「・・・今日、玲奈ちゃんから聞いた」
深刻そうな顔と、
今日、玲奈に呼ばれたことで何のことか
大体の予想はつく
あれだけ、言うなって言ったのに・・・
「大したことないから。
気にしないでいいから」
「・・・実の娘がいじめられてて、
気にしない母はいないわよ」
「大丈夫。
母さんが思ってるほど
辛いことじゃない。
ただ・・・暴走しても怒らないでね」
いつ、我慢が解かれるかわからない
だから・・・先に言っておく
「・・・壊れる前に、
暴れてもいいと思う」
私の母さんは、
少し変わってると思う
普通、
学校でもめ事を起こすのを
止めるはずなのに・・・
暴れるって・・・
まぁ、こういう母さんだから
助かるんだけど
「話はそれだけだよね?
ちょっと眠たいから、
後で起こしてくれない?」
そう言って、部屋に入る
明日、
最悪な日まで
あと少し―。
☆美弥side
いつもと変わらない日
すがすがしい朝
ニュースでは、昼ごろから
雨が降るって言ってたけど・・・
そんな感じには見えないな・・・
黒い勾玉を握りしめて、
校門をくぐる
今日も1日頑張りますか!
そう思ってた時―、
「美弥、おはよう」
いつもは、無視する梓が
話しかけてきた
「・・・おはよう」
「ちょっと、
屋上まで着いてきてくれない?」
「・・・屋上は、立ち入り禁止だけど」
「じゃあ、あの空き教室。
絶対来てね?」
悪魔の微笑みを見せる梓
「・・・・・・りょーかい。
荷物置いたら、すぐに行く」
そう言うと、梓は
とりまきの女の子と一緒に
学校の中に入っていった
「・・・本格的に動いたか」
今日、何かが起きる
予想できるほど、
周りをとりまくオーラは気持ち悪かった