「よーるーっ」


バタバタと走ってくる足音が、家の廊下に響く。
僕は部屋の隅っこにある机で、本を読んでいた。
しかし、あいつが来たとわかると本を閉じた。
椅子をクルリと90°回転させ、障子の扉を見つめた。


―バシンッ


勢い良く開いた障子の前に立っていたのは、幼なじみの『空』だ。
長い髪をポニーテールにし、ブルーのワンピースを着ている。
空は僕の部屋に入り、部屋にあるソファーに座る。