「瀧本。『友達』ってなんだろーね。」



「そんなの俺にもわかんねぇよ。」



「友達になりたいって言われたんだ…」



「よかったじゃん。」



「うん。でもね、友達になってどーするの?
 
 別に今まで通りでしょ?

 相手には他の友達がいる。

 私にはいない。

 結局一緒じゃん。」



「ならお前も違うダチつくればいーじゃん。」



「やだ。」



「なんで?」


「ゴメン。帰る。」



「ん。じゃーな。」



なんてあっさりしたやつなんだ。



普通、質問の答えがかえってきてないのに



「じゃーな」とか言わないでしょ。



あ。そうか。あたしに興味がないからか…



うん。そりゃそーだ。



私だってそんな感じだもんね。



なんて考えながらカバンをとりに教室に向かった。