「櫻木先生?」



その声に引き戻されるように前を見ると彼女が不思議そうな顔をして俺のことを見つめていた。




「櫻木先生って、しっかりしているように見えて意外と抜けてるところあるんですね。かわいいです。」




そう言って春の陽だまりみたいな笑顔を見せた。




その言葉に対して何の反論もできない自分が歯がゆかった。




まさにその通りだから。





でも何か嫌な気がしない。




やっぱり恋をしてるのかな。



その日は家に帰っても幸せな気持ちでいっぱいだった。