けれども

こいぬが何度あやまっても、海斗は許してくれませんでした。

「この服がなきゃおれは仕事にいけないんだぞ！

なんてことをしてくれるんだ！」

ものすごい剣幕でした。

海斗が乱暴にドアを閉め、仕事へでかけていきました。

こいぬはそのドアの閉まる大きな音にビックリしました。

大きな音はいつまでも耳から離れません。

こいぬは身が千切れる思いでいっぱいです。

「海斗･･･ごめんなさい。またあたしのせいですね。

あたしは何をしたらゆるしてもらえるのでしょうか。

海斗しゃま。ごめんなさい。」


こいぬは何度も何度も自分を責めました。