私が律儀? どういう事だろう。人からそんな事を言われた事はないし、自分でも思った事なんかない。むしろ自分では、いい加減な性格だと思ってるし……


「志乃さんが僕に連絡をくれる確率はいいとこ50パーセント。こんな所に来てくれる確率は、更にその半分ぐらいと踏んでましたから」


 小柳君はそんな小難しい言い方をした。要するに、彼の脅しに私が応じた事は、意外だったという事らしい。自分で脅しておいて、よく言うわよね!


「だって、和也に知られたくないもの……。当然でしょ?」


「それが律儀なんですよ。僕が本当にばらすと思いますか?」


「えっ……?」