その後お開きになり、和也と並んで歩く帰り道。

 和也は酔っ払っていて足元が少しおぼつかない。私の肩に腕を回し、寄り掛かるようにして歩いている。


「もう、重たいなぁ」と文句を言いつつ、本当は嫌じゃない私。むしろもっと和也にくっつきたいくらい。


「そんなに飲んで、明日は会社でしょ? あ、もう“今日”だわね……」


「平気さ。それより姉貴、小柳と何かあったのか?」


「だから、何もないって言ったでしょ?」


「だったら、小柳の話をしたら急に来るって言い出したのは何でだよ?」


 ドキッ


「それも言ったでしょ? 飲みたい気分になったって。それに私が行かないと、和也が困るだろうと思ったし……」


 言い訳ではあるけど、その考えも少しはあった。ほんの少しだけど。