扉を開くと、数人の男女がワイワイ騒いでいたが、私に気付くと一斉に歓声を上げた。


 ペコっとお辞儀をして店内に入ると、すかさず和也が立ち上がって私を迎えてくれた。


「姉貴、本当に来たんだな?」


「そりゃあ、来ると言ったら来るわよ」


 店内は薄暗くてよくは見えないけど、和也は酔っ払って赤い顔をしているみたいだ。


 和也を入れて男4人、女4人の計8人が、ソファにコの字型に並んで座り、他にお客さんはいなくて貸切状態だった。


 和也は真ん中あたりに座っていたらしく、みんなに詰めてもらって私は和也の隣に座った。更にその隣は、よりによって一番会いたくなかった人物、小柳君だった。