小柳君が何だっていうんだろう。というか、そこに小柳君もいるんだ……。私は嫌な予感を感じつつ、和也の言葉を待った。
『小柳がどうしても姉貴に会わせろって聞かないんだ。姉貴に会えないと、何言い出すかわからないとか、訳の分からない事言ってさ……。姉貴と小柳って、何かあったのか?』
「な、何もないよ。あるわけないでしょ?」
『だよな? じゃあ小柳なんか無視無視。じゃあね?』
そう言って通話を切ろうとした和也を、「ちょっと待って!」と今度は私が止めた。
「やっぱり行こうかな」
『えーっ、来んの? なんで?』
電話の向こうで歓声が聞こえた。それが少し収まるのを待ち、
「みんなの顔が見たくなったし、私もちょっと飲みたいかなと思って……」
と、苦しい言い訳をした。本当の理由は、私の和也への想いを唯一知る小柳君が、それを和也やみんなにばらすのが怖いからだった。
『小柳がどうしても姉貴に会わせろって聞かないんだ。姉貴に会えないと、何言い出すかわからないとか、訳の分からない事言ってさ……。姉貴と小柳って、何かあったのか?』
「な、何もないよ。あるわけないでしょ?」
『だよな? じゃあ小柳なんか無視無視。じゃあね?』
そう言って通話を切ろうとした和也を、「ちょっと待って!」と今度は私が止めた。
「やっぱり行こうかな」
『えーっ、来んの? なんで?』
電話の向こうで歓声が聞こえた。それが少し収まるのを待ち、
「みんなの顔が見たくなったし、私もちょっと飲みたいかなと思って……」
と、苦しい言い訳をした。本当の理由は、私の和也への想いを唯一知る小柳君が、それを和也やみんなにばらすのが怖いからだった。