その後は、家に帰るまで二人ともずっと無言だった。

 翌日の日曜日も同じ。下で会っても、和也は私を見ようともしなかった。私、嫌われちゃったのかな……



 夕飯の時、和也はいなかった。


「お母さん、和也は?」


「出掛けてるわよ。今日は高校の同窓会なんだって」


「あ、そうなんだ……」


 そう言えば、和也は前にそんな事を言ってたっけ。今日だったんだ……



 お風呂に入り、ベッドでゴロゴロしていたら、携帯がブルブルっと震えた。何だろうと思って携帯を見たら、和也からの着信だった!


 ドキドキしながら通話ボタンを押し、恐る恐る「もしもし」と言うと、


『あ、姉貴? おれおれ』


 昨夜から怒って、私を避けていた和也と同一人物とは思えない、大きくて明るい声が耳に響いた。