「そうする? でも、どこで?」


「ん……ホテル、とか?」


「…………姉貴!?」


「じょ、冗談よ。本当の恋人同士なら、そういう話になるのかなって……」


 和也は“姉貴”と言ったけど、抓る気にならなかった。私も反則したから、言ってみればおあいこ?


「驚かすなよな……」


「ごめんね?」


 9割方は冗談だった。いや8割、7割かな。残りは、本気だった。もし和也がその気になってくれれば、私は……


 車は次のインターで一般道に降りた。


「少し休んで行こう? あのままじゃ時間の無駄だから」


「うん、いいよ」


 和也は、いったいどこで休もうとしてるんだろう。まさか、本当にホテルとか?