私達はトイレ休憩のため、サービスエリアに寄った。車を降りた私は、ツカツカと和也に近付き、彼の腕に手を絡めた。


「ちょっと、姉貴……」


 すかさず私は、和也の腕をギュッと抓んだ。


「痛えー!」


「“姉貴”じゃないでしょ?」


「チッ。だとしてもさ、そんなにくっ付くなよ。おかしいだろ?」


「イヤよ。だいいち、誰も私達の事なんか気にしないって……」


「そうでもないみたいだぜ」


「え?」


 あ、ほんとだぁ。女の子達がチラチラ和也の事見てる……


「あね……」ギュッ


「痛っ。し、し……志乃は、フェロモン出し過ぎ」


 “志乃”って言われた……

 そんな事は一生叶わないと思ってたのに……って、え?