和也はお風呂上りらしく、首にスポーツタオルを掛け、髪の毛はまだ生乾きだ。Tシャツに短パン姿で、男物のシャンプーだかリンスだかトニックだか、よく分からないけど柑橘系の清々しい匂いがし、羨ましいほど白くて滑々した肌の顔は、ほんのり薄ピンク色に上気している。


 あん、もう、なんて色っぽいのかしら……


「何か用?」


「え、あ……ちょっと話があったんだけど、やっぱり、いい。明日にする。じゃあね?」


 こんな和也と二人きりになったら、アブナイ。そう判断した私は、和也に背を向け自分の部屋にUターン、と思ったのだけど……


「待ってよ」


 後ろから和也にグイッと腕を引かれ、グルンと振り向かされてしまった。


「今日話してよ? 気になって眠れないから」


 う、顔が近い。胸と胸がくっ付きそう。和也、というか私、ヤバイって……