「私、志乃ちゃんはてっきり私達が別れたって知って来てくれたと思ったけど、そうじゃないんだよね？ だったら、どうして来てくれたの？」


「え、それは……」


　予期せぬ美沙ちゃんの問い掛けに、私は答えに詰まってしまった。まさか正直に、『美沙ちゃんと和也の関係がどうなっているか、探りに来たのよ』とは言えるわけもなく……


「ちょ、ちょうど近くに来たから、冷たい物を戴きながら、美沙ちゃんの顔を見ようと思ったのよ？」


　つっかえながらも、何とか当たり障りのない返事をすると、美沙ちゃんは「ふーん、そうなんだ……」と呟き、「じゃあね」と言って去って行った。


　美沙ちゃんたら、なんで今頃そんな事聞くかなぁ……