やっぱりエッチしたんだ。そりゃあ、するよね。大人同士なんだし。私もしてるし。でも、イヤだなぁ……

 和也と美沙ちゃんが裸で抱き合う姿を想像したら、ドロドロした何かが胸の中を渦巻き、息苦しさを覚えた。


「志乃ちゃん、怒った?」


「そ、そんな事ないよ」


 しまった。顔に出ちゃったみたい。

 私はアイスコーヒーをストローで吸い、胸の中のドロドロと一緒にお腹に飲み込み、フーッと息を吐いた。


「志乃ちゃん。私、思ったんだけどさ……」


 美沙ちゃんは、改まった様子でそう話を切り出した。


「何を?」


「和也君ってさ、失恋したんじゃないかな?」