美沙ちゃんは、カウンターの向こうにいるマスター、つまりお父さんにチラッと目をやり、私を窓際のテーブル席に誘導した。美沙ちゃんと私、というより和也との関係は、あまりオープンではないらしい。
美沙ちゃんは、私がオーダーしたアイスコーヒーをテーブルに置くと、「私も座っていい?」と聞いてきた。
「うん。でも、お店は大丈夫なの?」
「それは大丈夫。だってほら、お客さんいないし」
確かに、客は私以外は一人もいなかった。
美沙ちゃんは私の向かいに腰掛け、私がガムシロップとミルクを入れ、ストローでアイスコーヒーを一口飲むのを待って、
「志乃ちゃん、来てくれてありがとう」
と言った。それは営業用の“いらっしゃいませ”を、親しみを込めて言い直した言葉なのかもしれないけど、どこか違和感を覚える私だった。
美沙ちゃんは、私がオーダーしたアイスコーヒーをテーブルに置くと、「私も座っていい?」と聞いてきた。
「うん。でも、お店は大丈夫なの?」
「それは大丈夫。だってほら、お客さんいないし」
確かに、客は私以外は一人もいなかった。
美沙ちゃんは私の向かいに腰掛け、私がガムシロップとミルクを入れ、ストローでアイスコーヒーを一口飲むのを待って、
「志乃ちゃん、来てくれてありがとう」
と言った。それは営業用の“いらっしゃいませ”を、親しみを込めて言い直した言葉なのかもしれないけど、どこか違和感を覚える私だった。