それも、玩具を取られた子どものそれのような、幼稚なものではなく、胸が締め付けられるような、あるいは胸の中で炎がメラメラと燃え上がるような、憎悪にも似た激しい感情だという事に。


　そして私は認めざるをえなかった。私は和也を好きなのだと。しかも弟としてではなく、一人の男の子として。姉としてではなく、女として。


　和也とその同級生の子の付き合いは、結局は長続きしなかったけど、和也はそれをきっかけとするかのように、次々と彼女を作るようになった。


　それに対抗するかのように、私は好きでもない男と付き合うようになった。誰にも明かす事の出来ない、弟への禁断の想いを断ち切るために。


　でも、どんな男と付き合おうとも、どんな男に抱かれても、和也への想いは消えてくれなかった。それどころか、むしろ強くなるばかりだった。