家に着き、玄関に向かう和也の後ろ姿を見つめる私。


 広い背中……

 和也って、いつの間にこんな立派になっちゃったんだろう。


 家に入れば、私と和也は姉と弟の関係。もちろん外でもそうなんだけど、周りの人は知らないから、ふざけて恋人同士のふりとか出来る。さっきのコンビニのように。


 でも家の中ではそうは行かない。両親がいるから。たとえ両親が不在でも、ベタベタしたら不自然っていうか……


 という事で、玄関の前で家の鍵をドアに差し込もうとしている和也に、私は後ろから抱き着いた。


「ちょ……」


「今日はありがとうね」


「お、おお」


 私は彼の広くて硬い背中に、自分の胸をギューッと押し付けた。