私は和也の背中に腕を回し、ギューッと彼に抱き着いた。


「あ、姉貴……?」


「もうわかったでしょ? 私が誰を好きなのか」


「ひょっとして……俺?」


 私は和也の胸に頬を寄せながら、コクリと頷いた。


「ほ、ほんとに!? まさか夢とかドッキリとかじゃないよな?」


「大丈夫、だと思う。私も同じ気持ちよ?」


「嘘みてえ。ぜんぜん気付かなかった……。姉貴は、いつから……?」


「えっとね、和也が高1の時、私の同級生と付き合い始めた時よ。それがすごく嫌で、その時に気付いたの。和也の事が好きなんだって」


「なんだ、そうか。だったら俺の勝ちだな」


「え? “勝ち”って……?」


 顔を上げて和也を見たら、彼は口角を上げてニッと笑った。