「そ、それは……」


「あんた程の容姿なら、大学や会社でさぞやもてるでしょ? 女の子から告られた事だってあるはずだわ。それも一回や二回ではなく……」


「そ、そんな事は……」


「その子達を断って、わざわざ地元の子とばかり付き合ったのは、小柳君が言った通り、私に見せ付けて、ヤキモチを妬かせたいからじゃないの?」


 私は、私から視線を逸らす和也の顔のまん前に自分の顔を突き出し、そう詰め寄って和也の顔を凝視した。


 和也は、初めは目を泳がせていたけど、次の瞬間目を閉じると、唇をキリリと結んだ。そして、その唇が小きざみに震えだしたと思ったら、スクッと立ち上がった。


「か、和也……?」