「あ、えっと、それは……」


 どうごまかせばいいのか分からなくて口ごもっていると、和也に体で押される格好で部屋に入り、和也は後ろ手でドアをパタンと閉めてしまった。


 和也が私の部屋に入ったのは珍しい。しかもこんな夜中にって、いつ以来だろうか。


 えっと、部屋はそんなに散らかってないよね。まさか、下着が脱ぎ捨ててあったりとかは……。横目で部屋の中を見渡してみたけど、それは大丈夫だった。

 それにしてもこの状況は心臓に悪い。昼間の熱が残った部屋の暑さも手伝い、背中を変な汗が流れるのを感じた。


「あ、暑いわね? エアコンをつけようっと……」


 私はパッと和也から離れ、ローテーブルの上のリモコンを持ち、エアコンのスイッチを入れた。


「なんで嘘つくんだよ?」