「……ん……」
そんな声を漏らして沙羅が目を覚ましたのは、それから2時間近く経った頃だった。
その間、俺は家に連絡を入れたり、夕飯をご馳走になったりしながらも、ずっと沙羅のそばにいた。
ちなみに、今日はもう遅いし、良い電車もないため、このまま沙羅の家に泊まることになっている。
もちろん部屋は別だけど……。
それでも俺は、沙羅と同じ空間で過ごせるだけで嬉しかった。
「気が付いた?」
そう言って、まだ寝惚け眼の沙羅の顔を覗き込む。
すると沙羅は、少し無言で俺を見た後、
その目を二倍くらいに広げガバッと起き上がった。
「あ……
歩夢っっ!?」