「……よく分からないけどさ。
ちゃんと話した方がいいよ」
姉貴はそう言いながら、気まずそうに戻って行った。
ひとり部屋に残された俺は、ただ茫然とその姿を見つめる。
解き掛けの問題など、到底出来そうになかった。
もう……
ダメなのだろうか?
自然消滅って……
こういうことを言うのかな……?
なぁ、沙羅。
オマエはずっと、
それを望んでたのか……?
俺が会いに行った時、
ぶっきらぼうな態度を取っていたのは、
今までみたいに意地を張ってたんじゃなかったのかよ……?
考えれば考えるほど、
最悪な答えばかりが浮かぶ。
6畳の部屋には、カチカチと時計の針が動く音だけが聞こえていた。