――その後も沙羅へのメールを作成しては、送信ボタンを押せない日々が続き、
気がつけば、季節も秋から冬へと変わろうとしていた。
最近の俺は、気を紛らすためにとにかく机に向かっていた。
予備校で授業がない日でも平日は自習室に通い、
帰宅は毎日22時過ぎ。
休みの日も部屋にこもり、寝るのは深夜になってからだった。
でも――…
どんなに勉強に集中しようとしても、いつも頭のどこかで沙羅のことを考えていて。
何をやったって、頭から離れない。
いっそのこと、鳴らないケータイの電源を切ってしまおうとも思った。
だけど、もしかしたら……
もしかしたら、今日は鳴るかもしれない。
そんな淡い期待が、俺にその行動を取らせないでいた。