悠人があたしの頭を、ポンポンッて撫でる。



……変わってないね、そういう所……。




結婚して、悠人が遠くなってしまった気がした。手を伸ばせば届く距離に居るのに、心が離れていたんだ。



…ううん。あたしが、遠ざけていたのかもしれない。


知らず知らずのうちに、悠人に近付く事さえ、悠人に話し掛ける事さえ躊躇っていた。



そうして段々と、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになって…。



自分から、距離を作っていたんだね……。