あの日以来、ヒナは空に目を向けることを嫌うようになった。


昔からのクセで屋上には来ているけどヒナは膝を抱えて俯いている。



「ごめんな、ヒナ」


「謝るなよ。仕方ないだろ」


でも、平気じゃないんだろ?


いつも通りに振る舞うことができないくらい動揺してる。


声だって、弱々しくて覇気がない。


「帰るか。そんな様子じゃ授業出られないだろ?」



何より、ヒナを早くこの場から遠ざけてやりたかった。


「カバン取ってくるから、ちょっと待っててくれ」