私の無気力に過ごした3年間を、復讐を誓ったあの日を、なかったことにはできないの。



私はカバンを強く抱きしめたまま、彼は寂しそうに笑ったまま、唇を重ね合わせた。


すぐに二人は離れて、垣之内さんは悲しげにまつげを伏せ立ち上がる。それにつられるようにして私も立ち上がった。













――雨の日だった。


3年前、妹が死んだのは。


視界が悪くて、嵐のようなあの日。



妹は信号を無視して道路を渡り、トラックにはねられたのだ。



漫画や小説でよく聞く、“即死”なんてものではなかった。


それよりもっと、残酷な。


数日もの間、意識を失う重症で、生死の境を彷徨い続けていた。



事故から10日後、奇跡的に目覚めた妹の瞳は虚ろだった。



――足を切断していたのだ。


特に損傷の激しかった右足の、膝から下を。



何度も泣いていた。痛みと闘っていた。


――なのに死んだ。