「深戸、あのさぁ、」


「何?」


「んー…。なんでもない」



詩真の意味深な会話があって、
次の曲がり角で別れた。
別れ際にほとんど聞こえないくらいの小ささで、


「気をつけて走れよ」



と、言った。
…やさしい。



「ただいま」