ざわざわ…。
ガラガラ
教室の扉を開けた。
けどー…
「陽菜ちゃん?」
それから一歩が踏み出せない。
顔から血の気が引くのがわかる。
何で…。
昨日あんなに泣いたじゃない。
何で今更、こんなことに。
「大丈夫?」
優華ちゃんが心配してくれている。
何かいわなきゃ…。
何か…。
「うぅ…」
言葉の代わりにー…。
泣いてしまった。
「保健室、いこ」
優華ちゃんが手をひっぱってくれた。
この子がいなければ、確実に泣き崩れてた。
どれだけ感謝しても、しきれない。
でも今はそれどころじゃない。
さっき、私は、詩真の顔が、見れなかった。
というより、視界に詩真が映った瞬間、
泣き出してしまったのだ。
詩真と目が合わなくてよかった…。