ポロポロ涙が止まらない。
詩真がすごく心配してたのはわかった。
だって詩真は優しいもん。
こんな泣いてる子を置き去りにしたら、
詩真じゃない。
「なんで、無理なの」
「わかんない」
「部活…サボる気」
「…」
そういえば今日、優華ちゃんは
なんかクラスでなんかあって、
部活には出ない…らしい。
サボり…たい。
サボって詩真を独り占めしたいよ…。
「ズルイね…」
「誰が」
「…私に決まってんじゃん」
「何でそう思うの」
「たった1日悪いことあったからって…
部活サボって、泣いて、詩真までまきこんで…」
「ん…」
「どうしてこんなに弱いのかなぁ…。
あと少し、あと少し我慢すればいいのに…
あと少しで終わるはずなのに…
終わってほしくないって思う自分がいる」
「強く、なりたいなぁ…。
せめて勇気がほしい」
「勇気…?」
「うん。素直になれたら…きっと…」
「きっと…?」