桜が舞うころ、 私は… 「もうすぐ、一年たつんだね」 夕暮れの校舎でひとり呟く。 「陽菜ちゃん」 ふと、名前が呼ばれたことに気がつく。 「優華ちゃん」 私の名前は深戸陽菜(みとはるな) 今話し掛けてきたのが、 夢対優華ちゃん(むついゆうか) 同じ部活の友達なんだ。 「部活…疲れたね」 「うん。そうだね」 「あと、1ヶ月だね」 …そうあと1ヶ月で、自分は引っ越す。