……………


いつだったか、亮が珍しく歯切れが悪く切り出した。


『あのさ、笑うなよ?』


『はぁ?何だよ。』


『いいから、笑わず聞くって約束しろっ!』


その勿体ぶるような口調に、痺れを切らしながら、問いただす。


『わかったよ、で?』


亮の事だ。


きっと、また何かやらかしたんだ。


俺と間違えて、先輩に蹴りでも入れたか?


それとも、また顧問を“お父さん”と呼んだのか?


心の中で予想して、思わず漏れそうな笑みを噛み殺した。



そんな俺の目を見て、亮は予想外な言葉を口にした。


『俺、坂本さんが好きなんだ。』