昼休みが終わる数分前。
俺が便所から戻ってくると、美里が帰ってきていた。
「よぉ、」
「、みっちゃん!」
そのギクッとしたような表情に、少し違和感を感じた。
「どうかしたか?」
「ん?何も無いよー。」
あははっと、笑う美里に、俺は眉をしかめた。
俺をごまかせるとでも、思ってんのかよ。
幼なじみ、ナメんな。
問い詰めたい衝動に駆られたが
『余計な事せんといてな。』
小泉の言葉が頭にエコーする。
ここで俺がまた出てったら、結局美里が傷つくのか?
俺だってお前の力になりたい。
お前が昔、俺を庇ってくれたように。
だけど、それが自己満足に過ぎないのだと、小泉に思い知らされた。
俺にお前を“守りたい”なんて、言う資格は無いから。