なんだ、早瀬は追い討ちをかけるために追いかけててきたんだ。



 彼女がいる人に、しかも約束をやぶって接触した私への罰かな。



 屋上の扉を開けた。










 夕日が目にしみて、周りが見えなくなった。






「まだ話終わってねぇんだけど」



 階段を私の後から駆け上がってきた早瀬が私に言った。











「話す事なんて、ないよ。私は振られたみたいだし、もういいんだ。ごめんね?もう…話し掛けたりしないから」










 二度も早瀬と縁を切らなくちゃいけないなんて、思ってもみなかった。









「一人にしてくれる?」

 私は、早瀬にむかって言った。









 声が震えていることが分からないように…。