私の体が傾いて、足元がグラッとした。



『落ちるッ…!』








「危ねー」



 私の耳もとで聞こえたのは大好きな早瀬の声。

 そして、私を早瀬の香りが包んでいる。









 階段から落ちそうになった私を早瀬が抱きしめて助けてくれた…。








「この手紙、那緒だろ」




「んなわけないじゃん」

 どうしてそんなこと聞くの?









 早瀬には礼ちゃんがいるじゃないっ!