後ろの方から、聞こえるはずのない早瀬の声が聞こえた。



「どうして…ッ」



 だめだ。

 ここで早瀬と会ったら、あきらめがつかない。






「来ないで…!」

「那緒!?」








 私は、闇雲に走った。



 早瀬に会うのが怖かった。