早瀬にもう関わらない…?



「これで、通話ボタンを押したら雅人に繋がる。お願い…」




 これでも一応、恋する女の子だからね。


 礼ちゃんの気持ち、分かるよ。






「分かった…電話する」



 分かってない!

 早瀬ともう話せない?

 目も合わせちゃだめ?

 そんなの耐えられない!



 友達でもだめなんだよね…?





 私は礼ちゃんからケータイをうけとって、早瀬に電話をした。





『もしもし?礼ちゃん?』


 電話の向こうから愛しい彼の声が聞こえる。




「早瀬…?」


『え?那緒?どうして?』



 早瀬はびっくりしまくっている。




 礼ちゃんのために、言わなくちゃ。







「早瀬、よく聞いてね。女の子はね、少しのことで傷つくし、気にするの。礼ちゃんは、絶対に私の存在が怖いと思うの。だって大切な人が取られるかもしれないじゃない?だから、だからね…」


 最後の一言が言えない。




 涙が溢れそうになって、上をむいた。


『おい、那緒?なんなんだよ…?』










「早瀬、私と縁切って」