その日の放課後、噂の礼ちゃんに呼び出された。


 でも、やっぱり礼ちゃんは良い子なんだ。


 何人かで呼び出すんじゃなくて、一人で私を呼び出したんだ。




「あなたは雅人の何なんですか?」




 礼ちゃんは怒った風もなく、普通に私に聞いた。



「お友達です」



 すると、礼ちゃんは私をじーっと見て言った。

「雅人の事好きですよね?」





 好き…なんて言えない。


 きっと礼ちゃんは不安なんだ。


 早瀬を誰かに取られるんじゃないかって。




 女の子だから、恋する女の子だから私に何かを感じたんだよね?





「好きじゃないよ?友達だもん」




 礼ちゃん、私はあなたを嫌いになれない。


 やっぱり早瀬が好きになった人だね。




 とっても素敵で可愛い女の子だね。




 礼ちゃんはケータイを取り出して言った。






「お願い。雅人にもう関わらないって言って…。お願い…」





 礼ちゃんは私に頭を下げた。