僕は、うっすらと覚えているのが、通り過ぎる大人たちは僕のことを嫌な視線で見つめているように思えたという事。
あのときは、すごく怖かった。
すると、黒い傘を指した男の人が小さい緑色の傘を持ってこう言う。
「坊や。この傘を使うか?」
ーーー
でも、この傘は呪われていた。
僕はその傘を指した日から魔物が話す声を聞こえるようになった。
今は、聞こえないけど。
「リュウ?どうかしたのか」
ウリッドが僕のことを呼びかける。
「ううん。なんでもない。なんか心配して損しちゃったなって思ったんだけどね」
と、僕は言った。