「そりゃぁ頼りになるな(笑)」



その時


(グルルルルルル…)



『へ?』
「んぁ?」



少し間抜けな声を漏らすリリアとリーヴス
二人の後ろの茂みから聴こえる重低音
この声は…



「キラーウルフ…
この辺りじゃ有名な奴だ」



オルティアは放心しているリリアとキラーウルフの合間に立ち、スッと腰の剣を抜いて
キラーウルフに向ける


キラーウルフ…コイツは「殺し狼」と呼ばれ、この辺りで何人もの村人を襲っていた

このウルフの口許には生乾きの夥しい血が…
どうやら先程襲って来た後らしい



「…コイツ結構殺ってるな…
気ぃ抜いたら殺られっぞ?」



そう言ったリーヴスは、オルティアの少し前に出て、背負っていた大剣を抜いて構える



「分かってるよ
でもリーヴスはリリアチャンの護衛お願い」



「ちぇ
…じゃあウルフは頼んだぜぇ~ぃ」


リーヴスは大剣を肩に担ぎ、リリアの近くに突き刺した
そしてへたりこむリリアの手を取り、ヒョイと抱き上げ、しっかりと立たせる



『あ…ありがと…ぅ』


礼を言うリリアの声はか細く、微かに震えていた
そんなリリアに気付いたリーヴスはギュッと抱き締め、ポンポンと乱暴に頭を撫でた



「んなビビんなって
オルティアが負ける訳ねぇだろ?」