走ってきたのか、息が切れていた。


そして雨のせいか、髪の毛が濡れていて色っぽく見えた。





「……司……」


司の存在を確かめるように、司の服を掴んだ。



「…奈美…俺は此処にいるから…」


そう何度も言いながら笑った。


司が笑ってくれたことに、また涙が出た。