そして、外もだんだんと月明かりが照らし始め、俺たちは帰ることにした。



「今日はごちそう様でした」



「またいらっしゃい」


「あぁ、またおいで」


「春奈ちゃん、また来てねぇ」


春奈は少し、目に涙を浮かべつつ、笑顔で返事をした。


「はい!」


「じゃぁ、行くわ。またな」


「春奈ちゃんを泣かせるようなことをしたら母さんが許さないからね!」


「分かっってますよ」


そう言って、俺たちは家をあとにした。



しばらくすると車の中で春奈は涙をこぼし始めた。



「お前、どうした?」



「あたし、嬉しかった・・・あたし・・・お父さんもお母さんもいないから・・・なんか本当のお父さんとお母さんみたいだったから・・・・」



春奈の目から流れる涙はとてもキレイな涙だった。



「そっか・・・・お袋も親父も本当の家族みたいに思っていいってさ!」



「うん!ありがと。いい家族だね」



俺は春奈の頭を軽くなでた。



そして、俺は本当のことを話すことにした。