居間に向かうと、親父が野球中継を見ていた。



「親父、ただいま」



「おう、可愛い子を連れてきたな」



親父は優しく微笑んだ。



「さぁ、みんな。ご飯にしますよ」



お袋は冷蔵庫からキンキンに冷えたそうめんを出してきた。



「そうめんじゃん!ラッキー」



テーブルの上にはお袋特製の煮物が出てきた。



そんな懐かしい雰囲気に浸っていると、春奈が目に入った。



「お母さん、あたしも手伝います」



「いいのよ、春奈ちゃんはお客様だから。ちょっと、貴之!棚の中からお皿出して!」



『俺に手伝わせるのかよ!』



俺は渋々台所へ行って、手伝うことにした。



「春奈は座ってて?」



「でも・・・・」



「いいから」



春奈は申し訳なさそうに居間へと向かった。