「おかえり~」



真っ先に玄関まで走ってきたのは、信二だった。



その後からお袋がやってきた。



「よぉ、兄貴!」



「おかえり、貴之」



「あぁ」



そして、俺の後ろにいた春奈が口を開いた。



「初めまして、愛田春奈です!」



春奈は頭を深々と下げ挨拶をした。



「まぁ、まぁ汚い家だけどどうぞ」



お袋は優しい笑顔で春奈を家に上げた。



そんな光景を見て、俺は少し顔がにやけてしまった。



そして、俺は信二を呼び出した。



「おい、信二!絶対に誰にも言うなよ!分かったな!」




俺は念には念を押して、強く口止めをした。



「分かってるよ!」



信二はにやけながら、居間へと向かった。



『大丈夫かなぁ・・・』



少し心配だったが、とりあえず俺も居間に向かった。