『光』と『闇』があるから今の現世に『朝』と『夜』がある……。

本当なら『光』と『闇』は敵対していたのかも知れない。

今でも敵対しているのならどちらかが勝った方が現世の運命を決めていたのかもしれない。

もし、『光』が勝ったなら365日ずっと光がある世界。

『闇』が勝ったなら365日光があたらない『闇の世界』

どうしてこの現世に『朝』と『夜』が出来たのか………。

答えはこの小説を最後まで読めばわかるはずだ。

では、皆さんごゆっくりと………。
        登場人物

主人公 穂高慧(ほだかけい)高校二年
   
友人 神楽坂煉(かぐらざかれん)高校二年

光戦士 ライト・シンフォニー・フィリオ

光魔師 リハーナ・シス・レイム

光老師 ジレイト・サーズ

光動物 フィリー

伝説光戦士 ライセント

闇人 ブラックブラット

闇戦士 ジース・ネル・ファルス

闇魔師 カリファ・バーズ・トワ

闇老師 バルザード・ヴィル

闇動物 ダーナ

伝説闇戦士 ヴォバルト


「ここは……何処だ……?」

彼がそう言っても何も聞こえない。

「真っ暗だ。何も見えない……。まるで『闇の世界』だ……。」

彼の周りは闇に覆われていた。何も見えない、誰も居ない、

彼がそう思った時、何が見えた。

「あれは……なんだ……?……人か?」

彼がそう言った時、せの人影はどんどん彼の周囲に集まってきた。

「な、なんだ!?」

『ザシュッ』

彼の近くで何かを切り裂く音が聞こえた。

彼は周囲を見回した。そして彼の近くに真っ赤な液体が落ちていた。

彼がその液体に触ってみたらそれは血だった。

「な、なんだよこれ!?なんで殺し合いしてんだよ!?」

そう。人影たちは彼の周囲で殺し合いを始めたのだ。

「おい!やめろよ殺し合いなんて!多くの人々が死んで悲しむだけだろ!!

殺し合いなんてしたって、何も………何も残らないだろ!!」

彼は、必死で人影たちを止めようとしたが、彼の声は人影たちには届かない。

しかし彼は諦めずにさっきよりも大声で言った。

「もう、やめろ!!」

彼がそう言ったら、人影たちが動きを止めた。そしたらその人影たちが、彼に言った。

「キミハダレ?」

「ドウシテココニイルノ?」

「ドウヤッテコノセカイニキタ?」

「キミハドコノセカイカラキタ‘ニンゲン’ダ?」

「えっ、ちょっ、何だよ!?来るな、近寄るな!!」

「キミハドウシテ、ボクタチノスルコトヲトメヨウトスル?」

人影たちは、どんどん彼に近づき、彼に質問をする。

「ネェキカセテ……。」

「キミノコタエヲ。」

『ボクタチヲトメルリユウヲ……。』

「うっ、うわぁ―!!」

彼は叫び目を覚ました。

そしてその叫びは、教室中に響いた。

「ほ~だ~か~!」

「え、あ…あれ?」

「あれ?じゃない!!今は授業中だぞ!」

「…すみません。」

「ったく。授業に戻るぞ。」

彼は席に着くと、深いため息をついた。

(俺何やってんだよ…。)

そう思いながら時間は過ぎていった。




そして昼休み。一人の男子が彼と昼食を食べていた。

昼食を食べていると、その男子は彼に尋ねた。

「慧、さっきのいったいどうしたんだ?」

「あ~。変な夢見た。」

「変な夢?」

「なんか最初は、あたりどこを見渡しても真っ暗なんだ。」

「それで?」

「呼んでも返事はないし、まるで『闇の世界』みたいな感じでさ。

しばらくすると、人影が見えてきたんだ。」

「…人影?」

「あぁ。そしてその人影は、どんどん俺のところに近づいてきたんだ。」

その男子は、黙って彼の話を聞いていた。彼は、そのまま話を続けた。

「そして俺の近くで何かを切り裂くような音が聞こえたんだ。

その音につられるように、俺は辺りを見回した。

そしたらその人影たちは、いきなり殺し合いを始めたんだ。」

「こ、殺し合い!?」

その男子は驚いて大声で言ってしまった。

教室にいた生徒たちは、いっせいに二人のことを見た。

それに気づいた慧は、その男子を止めた。

「おい!声でかい!!」

その声に男子は我に返った。

この男子の名前は、神楽坂煉(かぐらざかれん)。

慧とは小さい頃からよく一緒に遊んでいた幼馴染。

煉は慧に話を続けるように言った。

「わりぃ、続けて。」

慧は煉の言葉にうなずき話を続けた。

「俺は当然人影たちを止めた。

だが、俺の声はまるで届いていないみたいで殺し合いは続いたんだ。」

「それで慧はどうしたんだ。」

「そりゃ、もう一度止めたさ。」

「どうだったんだ?止まったのか?」

「あぁ…。」

その言葉を聞いた煉は、深いため息をついて安心した。

けれど、慧の顔を見て不思議に思った。

慧の顔はまだ続きがあるんだと言っているように見えた。

煉は慧に聞いてみた。

「もしかしてまだ続きがあるのか?」

煉の言葉に慧はうなずいて、話を続けた。

「俺もやっと止められたって思った。

けれど今度は俺に質問してきたんだ。」

「質問?どんな?」











「『キミハダレ?』『ドウシテココニイル』『ドウヤッテコノセカイニキタ?』

『キミハドコノセカイカラキタ‘ニンゲン’ダ』『キミハドウシテ、ボクタチノシルコトヲトメルンダイ』

『ネェ、キカセテ…』『‘‘キミノコタエヲ。ボクタチヲトメルリユウヲ…』って感じだな。」

慧は言い終わると、お茶を飲んで昼食を食べ続けた。

同じく煉も食べながら話を続けていく。

「なんか怖いな…。それにしてもよく覚えてたな。俺だったら怖くて忘れるぜ。」

俺だって忘れたいさ。けどあまりにも怖すぎて、忘れらんねぇんだよ。」

慧がそう言うと煉は『なるほど。』と言って、

いつの間にか食べ終わっていた弁当を片付けて、席に戻ろうとしたとき慧に言った。

「あんまり気にすんなよ。夢は夢。実際に起こるわけじゃないんだからさ。」

その言葉に慧は『あぁ。』と答え、煉は席に戻っていった。

チャイムがなって昼休みが終わり、午後の授業が始まった。

けれど慧はずっと上の空だった。時間は過ぎ放課後になった。




慧は学校が終わり、家に帰って自分の部屋に入っていった。

「はぁ~。今日はさんざんな一日だった。テレビでも見て気分転換でもするか。」

そう言いながらテレビの電源をつけた。

しかし、いつもならちゃんと番組が映るのに今日は何も映らなかった。

不思議に思った慧は、テレビに近づいて調子を見ながら言った。

「ん?おかしいな。いつもなら映るのに。ついにこのテレビも壊れたか?」

そんなことを言っていると、テレビの電源が入った。

しかし、何かがいつもと違った。

どこのチャンネルをまわしても、画面は真っ暗なままで何も映らなかった。

「いったいどうなってんだよ…。」

そう慧が言うと、急にどこからか声が聞こえてきた。

「『‘‘ヤットミツケタ’’』」

「…この声、まさか…。」

そうどこからか聞こえてきた声は、慧が夢で見た人影と同じ声だった。

慧があっけにとられているのにかまわず、人影たちは続けた。

「『ナンデ、ボクタチカラニゲダシタノ?』」

「はっ?」

慧はわけもわからず、間抜けな返事をした。

しかし、人影は気にも留めず続けていく。

「『ネェ、ドウシテキミハボクタチガイルセカイニ、クルコトガデキタノ?』」

「『アノトキハキケナッカタ。』」

「『ゲド、イマナラキケル…。』」

その瞬間、さっきまで自分の部屋にいたはずなのに、周りは何もない真っ暗だった。

そう、あの時の夢みたいに。何もない闇の世界。

慧は驚きと恐怖の表情で、人影たちに言った。

「な、なんで…お前らがいるんだよ!!」

「ドウシテキミハ、ボクタチノイタセカイニイタ?」

「ドウヤッテボクタチノセカイニキタノ。」

人影たちは、慧にそう言いながら近づいていく。

慧は近づいてくる人影たちから逃げるように、

一歩一歩後ろに下がって行きながら、人影たちに言う。

「く、来るな!!」







しかし、人影たちはお構いなしに慧に近づきながら話していく。

「ナンデキミハ、ボクタチノスクコトヲトメタ。」

「ネェ、キカセテ…?」

「ドウシテアノトキニゲダシタノ?」

「ドウシテトメタノ?」

「ドウシテ、ドウヤッテボクタチノセカイニイタノカ。」

「ドウヤッテクルコトガデキタノカ。」

「なんなんだよお前らは…。」

「ネェ、キカセテ。」

「ネェ、オシエテ。」

「ハヤクイワナイト…。」

「『コロスヨ。』」

人影たちはそう言うと、慧に向かって刀や鎌、斧など刃物を振り上げました。

それと同時に慧は助けを求め叫んでいました。

「う、うわぁー!!誰か助けてくれー!!」


 慧が助けを求め叫んだと同時に、誰かが慧のところに駆け寄りながら人影に言った。

「やめろ!ブラックブラット!」

その人物が現れた途端、人影たちは慌てながら仲間に言っていく。

「ヤバイ!ミンナカエルゾ!」

「アイツハ‘コウゾク’ノヒトリダ!!」

「ケサレルマエニ、カエルンダ!」

人影たちがそう言いながら、一目散に逃げていく。

しかし、その人物は人影たちを逃がさなかった。

「お前らは、我らが滅する!!」

そう言った瞬間人影たちの姿が跡形もなく消えていた。

それを見ていた慧は、唖然としていた。

そのことに気付いたその人物は慧に話しかけていた。

「怪我は?」

その人物の一言に慧は我に返って、返事をした。

「えっ、あぁ、大丈夫です。」

その一言にその人物は安心した顔になりながら、慧に言った。

「よかった。君が無事で。」

「あっ、助けてくれてありがとうございました。
おかげで、死なずに済みました。えっと…」

「俺はライト・シンフォニー・フィリオ。」

「長いな…。ライトさんでいいですか?」

「さん付けはいらない。それと敬語もな。」

「で、でも…。」

「俺はお前と同じ年だ。穂高慧。」

「そ、そうなんですか!?…っていうかなんで俺の名前知って…。」

「話はここを出てからにしよう。」

「…はい。」

そう言ってライトは何かを唱えたかと思ったら、辺りが急に真っ白になった。

「慧。もう目を開けてもいいぞ。」

そう慧に言うと、恐る恐る目を開けるとそこは慧の部屋だった。

「えっ、俺の部屋…?」

慧が辺りを見回していると、ライトが慧を呼んだ。

「慧。そろそろ話を始めようか。」

「あ、はい。」

そう言うと慧はライトを座らせ自分もライトの目の前に座った。