「私さ…」

夏穂の話を聞きながら、シャーペンを拾った。

「彰は、光歌が好きだと思うんだよね」

「はぁ!?」

静かな教室と廊下には、あたしの声が響いた。

「アイツモテるけど、あんま女子と関わるの好きじゃないんだよ?そんな彰が光歌に声かけるなんて、好きとしか思えない!」

さっきのあたしの声以上に夏穂が叫んだ。

その上高い声のせいで、耳が痛い…。

「それはないよ。あたしが可哀想で声かけたんでしょ」

「今まで、そーゆう子たくさんいたけど…話しかけたの見たことないよ?」