「ほら、光歌ちゃん!いつものね」

「ありがとう」

たくさんのモルセラの花を抱えて、あたしは目的の場所へと走り出した。

モルセラは、なぜか彰が気に入っていた花。

7月29日の誕生花って理由で気に入っていたらしい。

色々な花をずっと保管してある、あの店なら…きっとあると思ったから。


足取りがだんだん軽くなっていく。

目的のその場所に着き、あたしは足を止めた。

空は、いつもみたいに晴れている。

久しぶりだね…彰。

お墓のそばに、そっとモルセラの花を供えた。