「光歌、よく聞いて。1つだけ、助かる方法があるの」

あたしは、息を飲んだ。

「2人の場合…どちらかが消えれば、もう1人が助かるの」

「…え」

「あたしはもう、生きてないんだ」

生きてない?
死んでるってこと?

「でも…あたし、世羅のこと触れるよ?」

あたしはそっと、世羅の手に触れてみた。
普通の人間と同じ、温かいぬくもりが伝わる。

「ねぇ、世羅。どうゆうことなの…?」

今の状況が、まだよく理解出来ない。
世羅の言ってることが…全然、わからない。