…世羅の話を聞いて、あたしは身震いした。
「世羅…戻すには、どうすればいいの?」
「ちょっと、いろいろやってみるわ」
世羅は…こう言っていた。
あたしたちが今いるここが『時の果て』。
果てって言っても“終わり”とかじゃなくて、過去と今の真ん中に位置する場所。
しばらくすると、そこにいる生きてる人は現実に戻されるんだけど…。
あたしたちがいなかった“今”が、どこまで進んでるのかがわからない。
つまり…あたしたちの知らない“今”に行く可能性もあるってこと。
だから、“浅岡光歌”の存在は消えたことになってるかもしれない。